映画鑑賞会：禁じられた遊び

月１回はやりたいね。
と決めた映画鑑賞会の第二回。
持ち寄る映画は当番制で今回は私のターンです。

さて、どんなものを持って行こう。
自主制作映画の第二弾が始動しているわけで、
脚本を書いた身の上としては
作りたい映画の雰囲気を伝えられるのがいい。

わけですが。ちょっと待った。
普段私が見てるのジャッキーチェンかホラーなんですけど…。
ホラー映画の中でもジャンルは細かく別れるわけですが
今回は別にホラーを作りたいわけではない。
むしろ大好きな邦画（しかも80年代後半とか、90年代に作られた）
よりではないか。と思いつつ。
最終的には静かな雰囲気を重んじて

「禁じられた遊び」をチョイスしました。

1952年に制作されたモノクロ時代の代物で
戦争の悲惨さを伝えるための映画です。
哀愁漂う音楽と興味深いテーマが魅力です。

第二次世界大戦で両親を失った幼い少女ポーレットが
戦禍の中を逃げ回るうちに出逢う少年ミッシェル。
ポーレットが興味を示したのは、
家の中にかけられた十字架だった。

十字架に興味をもったあまり、
もっと十字架を持ってきて。とねだるポーレット。
次第にエスカレートしていき、
ふたりは、教会の墓地からも十字架を盗んで…。

ラストは小説と違う終わり方ですが、
全体の雰囲気は圧巻です。
静かで会話もほとんど無いのに
画面に釘付けになる不思議な構成をしています。
（字幕だからってこともあるんですが…。）

主人公視点のカメラアングルがほとんど無いのと
こどもの視線（の高さ）が意識して作られているので、
不思議な魅力を感じるのかも知れません。

そして子どもだけの甘酸っぱい秘密の世界は、
大人の介入によって、壊されるのです。

十字架に魅せられてのお墓作りがメインなのに、
あんまりお墓を作るシーンがないのも印象的。
（小説版は、とにかくお墓を作るイメージが強かったので。）
戦争に翻弄されたこどもたちの、
身を切るような静かな叫びが聞こえてくるようです。


少女と少年の出逢い。
人に理解されない興味。
ふたりだけの秘密。
第三者の介入によって壊される楽園。

構成だけ見れば
今作ろうとしている映画に似ていないこともない。

KiKi